日曜日, 6月 24, 2007

表現のイロイロ

「トレーナーになりたい」と思って専門学校の説明会に参加したときのこと。
学長の先生と面談をし、「選手のケガを治せるようになりたいです」と動機を話したのですが、
「治す」のではなくて「元のコンディションに戻すことですね」といわれました。
当時のワタシはその言葉の違いがあまり理解できなかったのを思い出します。

 「治す」って口に出していってはダメ



「治す」というのは医師が患者を「治す」ということで使われますが、
医療資格を持たないトレーナーは「治す」という表現は使えないとのこと。
鍼灸の施術を行う資格を持つ鍼灸師をはじめ、国家資格を持つ医療従事者のことを
「治療家」とも呼びますが、厳密に言えばこれも表現としては適切でない、
と医師から聞いたことがあります。

患者、選手を治すのは医師、施術する人は施術家とのこと。

表現一つ取ってみても意外にややこしいトレーナー。
この区別がはっきりしていないとトラブルの原因となることもあります。

 PNFは理学療法の言葉



PNFとはproprioceptive neuromuscular facilitation(固有受容性神経筋促通法)の略で
理学療法の一つの手技として1950年代ごろに確立されたものです。
手技そのものは理学療法士だけではなく、その方法や効果を熟知し、経験を重ねたものであれば
行うことは可能です。
ただ厳密に言えば同じ手技を行っていても「PNF」という表現はトレーナー全般に使用するには
ふさわしくないということがいえます。

こういったことをふまえ、日本体育協会AT養成講習では同じPNF的手技のことを
徒手抵抗トレーニング、徒手抵抗ストレッチと表現しています。

実際には同じものなのですが・・・。

他にも「マッサージを行う」というのは按摩師の資格を持つものでなければいけない、とか
マッサージという表現が出来ないのなら「筋肉をほぐす」というのならいいのか、とか。
資格保持者の権限を守るためにいろんな制約があるのも事実です。

専門学校に入学したてのワタシのように、トレーナーを目指す段階の学生さんは、
とかくこういった表現について無頓着すぎるかもしれません。

まぁでもこれは学生さんが悪いのではなくてそういったことを教えてくれる人がいないことが原因ですね。
ワタシも現場に出ていろんな人と話をする中で学んできました。

特に医療資格を持たずに活動するトレーナーにとっては資格保持者の権限を侵害しない、
なおかつ現場で行うトレーナー活動についてきちんと説明できる言語力(というのか?)
を身につけること、出来ることと出来ないことの区別をしっかりすることなどが必要だと感じています。

火曜日, 6月 05, 2007

手元に置いておきたい専門書

トレーナーとして活動するときは知識と経験のバランスが大切です。
でもまったく何の知識もなしに活動を始めるよりは土台作りとしての参考図書が必要です。

 このサイトで人気のある本ベスト3



たまたま売上データを眺めていたところ、同じ本がたくさん購入されていることが判明。
それも時期を問わずコンスタントに購入されています。
その書籍リストを見て納得。どれも基本的でありながらも学ぶべきところがたくさんある良書です。
ワタシからもオススメということでご紹介したいと思います。

◆3位 「ストレッチング」

ストレッチの基本知識とそれぞれの状況に応じたストレッチ方法が図解でよくわかります。
講習会などで資料を作成するときは必ずチェックしています。

◆2位 「身体運動の機能解剖」

筋肉の起始、停止からその動きや神経支配まで広くサポートしています。
この一冊で基本的な身体の動きに関する知識が得られ、トレーナーの奥深さを感じさせられます。

◆1位 「目でみる動きの解剖学」

目でみるといっているとおり視覚的に理解しやすく、バイオメカニクス、解剖学といったところの基本をおさえてあります。
トレーニングを考えるうえでも非常に参考になります。
ダントツ№1の人気書籍です。